クレーン業務に必須資格!!玉掛け技能講習とは?

長崎クレーン学校の川崎です。
今回は玉掛けについてご紹介していきます。

はじめに

フォークリフト運転技能講習や小型移動式クレーン運転技能講習と聞くと現場作業を経験したことがない方でも、何となく「あれを操作するために必要な資格かなー」と想像ができると思います。

しかし、「玉掛け技能講習」は全く知識も経験もない方は何の資格か想像も難しいと思います。

この玉掛け技能講習を簡単に説明すると、クレーン等のフックにワイヤーを掛けたり外したりするための資格になります。

この写真のように「フックにワイヤーを掛ける(又は外す)」というものすごく単純な作業のようにみえますが、実はこの作業、一歩間違うと死亡事故などの大事故につながる可能性がある危険な作業です!!

それではなぜ玉掛け技能講習が必要になるのかを確認していきましょう。

1:玉掛け者の役割
2:使用する用具
3:まとめ

1:玉掛け者の役割

まず玉掛け作業を行う際の基本として、作業責任者、玉掛け者、補助者、合図者、クレーン等運転者という役割分担で作業を行います。
(人数が少ないときや一人作業などは役割を兼任で行うこともある。)

この際に玉掛け技能講習修了者の配置が必要となるのが玉掛け者になります。

玉掛け者が行う主な役割は下記になります。
1、玉掛け用具の準備・点検
2、つり荷の確認(質量や形状の確認)
3、決められた工程での作業が可能か確認し、問題がある場合は責任者へ作業方法や用具の変更を要請する
4、つり荷の重心を確認し、適切な位置への玉掛けや玉掛けの方法を確認
(玉掛けの補助者がいれば補助者への退避指示や退避の確認)
5、地切り(地面からつり荷が離れること)時のつり荷の安定を確認
6、つり荷の着地位置の状況確認
7、枕木(荷物の下に敷く角材など)、歯止め等の設置
8、着地したつり荷の安定確認と玉掛け用具の取り外し
9、使用後の玉掛け用具の点検、収納

となります。
けっこうやることが多いです(^▽^;)
簡単にまとめると荷物を吊り上げるための準備から片付までを行うリーダーのような役割です!!

上記の役割の中でもつり荷の質量や形状の確認、用具の確認など、ワイヤー等を荷物に掛ける工程は特に重要です。
使用する用具や掛け方を間違うと荷物が落下し物の破損などによる物損事故、人に当たれば人身事故など重大な災害につながります。

それだけ重要な役割のため有資格者の配置が義務付けられています。

2、使用する機材

続いて玉掛けに使用する機材を紹介していきます。

ワイヤロープ

まずは玉掛けの基本のワイヤロープです

先のわっか状になっているところがアイといい基本はこの部分をフックやつり荷に掛けて使用します。

ワイヤロープは素線という細い鋼材でできており、数本から数十本をより合わせストランドを作ります。
出来上がったストランドを心綱に巻き付け1本のロープになっています。
引っ張られることに対して強い強度を持っている為、荷を吊り上げることに対して適しています。

ベルトスリング

次にベルトスリングです。


主にナイロンなどの繊維でできており、ワイヤロープより軽量で取り扱いやすくつり荷を傷つけにくい。
引張に対する強度もワイヤロープに引けを取りません。
しかし、ワイヤロープからすると耐久性が低く劣化も早いので注意が必要です。
熱にも弱いため、低温のものや高温のものに使用した場合強度が落ち切断する可能性があります。

シャックルとクランプ

U字型の金具がシャックルで緑色の方がクランプです。

クランプは鉄板などワイヤロープ等を直接かけることが難しいものに使用します。
コの字になっている部分で鉄板を挟み込み緑のリングの部分にワイヤロープ等を接続し使用します。
ワイヤロープ等のアイとリングの部分はどちらもわっか状になっている為接続できません。
こういう時に使用するのがシャックルです。
リングが付いている棒の部分がねじ式になっている為回すと取れます。
ワイヤーとリングをU字の部分に通し棒を元に戻すと接続完了です。
写真で見るとこういう状態になります。

このような用具を利用して玉掛けを行っていくのですが、今回ご紹介した機材はほんの一部です。
その他にもチェーンスリングやハッカーなど様々な用具もあります。
またワイヤロープ一つとっても、ロープの太さにより使用可能な最大質量の違いがあり、長さにも違いがあるので、つり荷に合わせた適切なものを選択する必要があります。

さまざまな用具がある中から適切なものを選択するためには教育を受けていない無資格者では難しく、事故を防ぐためにも有資格者による作業が必要です。

3、まとめ

今回は玉掛け者の役割と用具についてまとめていきましたが、この他にもワイヤロープのつり荷への掛け方やフックへの掛け方の違いや、荷を吊り上げた後の誘導のための合図など覚えておくことがたくさんあります。

一見すると簡単に見える作業でも現場作業では危険が伴います。
その中でも過去に事故が多かったものなど危険性の高いものについては技能講習などの有資格者の配置が義務付けられています。
作業をする際には技能講習修了者による安全な作業を行っていきましょう。

追記

クレーン等は製造業から建設業など重量物を取り扱う業種において多岐にわたり使用されています。
技能講習を取得しておくことで業務の幅が広がり、スキルアップ、転職等に役立ちます。

玉掛け技能講習は長崎クレーン学校でも月に2回程度講習を行っていますので興味を持たれた方はこの機会にご受講してみてはいかがでしょうか?

講習の詳細については下記となります。

 

コース 現有免許資格者証等 日数 学科 実技 料金
19時間 免除資格なし 3 12 7 23.000円
18時間 クレーンの運転に係る特別教育などを修了し、その運転業務に6カ月以上従事した経験のある方 3 12 6 23.000円
15時間② 1.クレーン、移動式クレーン、デリック、又は揚貨装置運転士免許を有する方 3 9 6 19.000円
2.床上操作式クレーン、又は小型移動式クレーン運転技能講習を修了した方
16時間 1t以上のクレーン等の玉掛け補助の業務経験が6カ月以上ある方 3 11 5 19.000円
15時間① 玉掛け特別教育を修了し、その業務経験が6カ月以上ある方 3 11 4

19.000円

申込みにつきましてはまずはお電話での予約が必要になります。
興味を持たれた方は下記の電話番号にまずはお電話ください。

長崎クレーン学校
TEⅬ:095-824-4910
FAX:095-824-4911

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